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手縫いの革靴|ouro Pattern Order Exhibition

 

 

 

大人の階段。

皆様、聞き覚えのあるフレーズだと思う。僕が初めて聞いたのは中学3年生の合唱だったと思う。

本当に大人の階段は存在するのだろうか。大人という言葉は何を意味するのだろうか。年齢なのか。佇まいなのか。収入なのか。責任なのか。当たり前なのだけれど、そこに定義はない。大人の階段は実在しない。何段登れば大人になれるのかもわかりゃしない。齢30半ばにして、まだなりきれている自信もない。

それでも、ファッションを生業とする中で、「大人の階段」は明瞭に存在したように感じる。

初めて高価な洋服を購入した時。新しいスタイルを見つけた時。形状だけじゃなく、素材や背景、意匠に対して美しいと感じた時。今までの感覚ではわからなかった、洋服に内包された拘りに気付いた時。しかし、その何よりも明瞭だったのは、少し背伸びをして「良い靴」を購入した時だ。

社会人になったから、良い靴が欲しい。結婚式の為に、良い靴が欲しい。良い服を着るようになったから、良い靴も欲しい。度々店頭でも耳にしてきた言葉なのですが、やはり人生の階段のどこかのステップに、良い靴は存在している。Post Productionのオーダー会の時にも、Nishimaki(サンダルではあるが)のオーダー会の時にも、その光景を何度も目にしてきた。

 

 

 

 

7月18日から7月21日までの4日間でShoemaker ouroのパターンオーダー会を開催致します。それに伴い当店での別注モデル"Fado"をローンチいたします。

 

靴作りの傍らで長年を高級紳士靴の販売に従事することで、沢山の人の足に触れてきた経験から木型を研究し、ビスポークに近いクオリティでのパターンオーダーを可能にしたシューメーカー"ouro"。全ての靴をハンドソーンウェルテッド製法の九部仕立てで製靴しており、オーダー会では足型を型紙に描き起こし、足型に合わせて幅や甲、履き口の調整を加えながら、ビスポークのような感覚でお一人お一人に合わせた一足を製作して頂けます。もちろん、モデルに合わせてレザーやソールカラー、パーツの変更も可能です(デュプイカーフなどの一部レザーでアップチャージが発生いたします)。カスタムオーダーにつきましては、僕が全力でお付き合いします。

 

 

 

 

ouroを主宰する可知さんとの出会いは2、3年ほど前になる。

当時、お客様としてcoelacanthを訪れてくれていた。靴作りを学んだ後に、三陽山長で長らく販売員を務める傍ら、技術を高めるために製靴教室に通っていること。パーソナルオーダーで靴作りをしていること。近い未来で自らのブランドを立ち上げる目標を伺った。そして、来店頻度を重ねるごとに、その未来が確実に現実味を帯びていった。

ある日、サンプルが上がったから試しに履いてみて、感想を聞かせてほしい。と、ご来店頂いた日があった。久しぶりの正統派な高級紳士靴。端正な佇まいに厳格な緊張感がある。足を通してみると、決して僕の足に合わせて作ったわけではないのに、足を飲み込み吸い付いたようなフィット感があった。

こうも真剣に靴職人を目指している情熱に対して、「いいっすね」なんて適当なことは言えない。僕より幾つも先輩である方に対して恐縮ではあるが、隠すことなく伝えた。少しだけ小指の付け根が気になるとか、甲が窮屈だといったフィッティングの話から、ソールの色だとかトゥのシェイプだとかのデザインの話。こんなデザインだったら他で見ないので面白いですよね、格好良さそうですよね、なんて。

その日から数か月、可知さんは僕があーだこーだと口出ししたディテールを叶えて、僕のための一足を製作してくれた。

 

それが今回の別注モデル"Fado"になります。

 

 

"Fado" Exclusive for COELACANTH

price jpy 154,000- tax included.

 

 

箱を開いた瞬間から途轍もなく格好良くて、履いてみると自分の足に吸い付いて。本当に自分の為に作られたという実感が沸いてくる。coelacanthに正統派の紳士靴はミスマッチだと思っていたので、当時はオーダー会なんて毛頭にもなかった。しかし、見事に気に入ってしまった。これはもう、お客さんたちに伝えたい。体験していただきたい。と、今回のオーダー会を開催する運びになったのです。

 

 

 

 

伝えていたのは「羽のないウイングチップ」。僕が目にしてきた中では一度も見たことがないし、言葉遊び的にも面白い。こういった紳士靴を手掛ける職人さんに伝えるのは失礼に当たる場合もあるが、可知さんは共感してくれた。ファッションが好きだからこそ、スーツ以外にも合わせられるものが作りたかったのだと。

 

アッパーのレザーは、今年で創業128年を迎える日本屈指の革屋が手掛けた"茶利ゴート"と"特注のゴートヌバック"。八方揉みによる逞しく隆起した茶利ゴートのシボと美しい艶に対して、ゴートヌバックはしっとりと柔らかな毛足に深く燻んだ黒さ。BLACK×BLACKのコンビでありながらここまでコントラストを対比させられるのは革ならではの美しさ。

木型にはフランスのヴィンテージラストに、販売員として長年培ったフィッティングの経験値から、現代日本人の特徴を反映させたオリジナルラストを使用。一足一足を自ら手縫いで、一針一針縫い合わせるハンドソーンウェルテッド製法では、足裏の形状(起伏)の再現度に長け、グッドイヤーと同等の耐久性を持ちながら、履き出しから柔らかく馴染みやすい、最上の一足を製靴します。

と、要約して説明しましたが、可知さんが革の特徴から製法まで細かく文章に書き起こしてくれたので、その画像とofficial siteをご覧ください。とても読み応えがありますので、お時間のある時にどうぞ。

僕はレザーソールをピーコックグリーンでお願いしましたが、こちらもお好きな色に変更が可能です。

 

 


説明原文。スワイプなどで拡大してお読みください。

 

「お洒落は足元から」という誰が言ったかわからない言葉があるけど、賛同はしません。洋服屋たるもの、やはり体の表面積の多くを占める衣服こそが、一番わかりやすくお洒落に通ずるものだと思う。それでも、全身の風格を纏めるのに良い靴は欠かせない。

着飾った足元に良い靴を並べる嬉しさや、パターンオーダーによる購買体験の感動、そして、自分だけのために作られた一足の素晴らしさをお伝えできればと思っています。

革靴というプロダクトは流行り廃りが少なく、足という部位は人の体の中でも変化が少ない箇所である。だからこそ、革靴は長く履くことを前提として作られ、5年、10年、20年と共に人生を歩んでいく存在となる。そのために、ouroの靴は、皆様が長年を連れ添えることを願って、足形に合わせて調整・成型し、一針一針手縫いでソールを縫い付け、殆どを自らの手で製靴する。

足を通して初めてわかることがとても多いと思います。沢山のフィッティングサンプルをご用意頂けましたので、まずは一度ご試着にいらしてください。

 

 

 

 

Shoemaker ouro Pattern Order Exhibition

2025年7月18日(金) - 7月21日(月祝)

13:00 - 19:00 (最終入店)

 

*オーダーバリエーションにつきましてはouro official siteをご覧ください。

*別注モデルにつきましては特注レザーの為、オーダーリミットがございます。

*製作完成まで5-6ヵ月ほどのお時間を頂きます。

*オーダーデポジットとして商品代金の20%以上を前払い下さい。

 

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