精神の為の服 | VERBA VESTI
Aug 05, 2024
1. ストイックな手仕事からなる上質な素材。
2. 普遍的で親しみのある造形。
3. 生活の中に漂うユーモア、おかしみ。
上記3つのコンセプトを主軸に作る精神の為の服。
それが、VERBA VESTIの理念です。
とあるブランドのデザイナーと、その彼が古くから親交している、国内外で研鑽を積んだパタンナー。かつて服飾学校の卒業制作で手を組んでいた二人が、10年以上ぶりにデュオを組んで生み出された少数精鋭のコレクション。
ご縁があってCOELACANTHに並べさせて頂くことになりました。
あまり多くの物作りをするブランドではなく、今回買い付け出来たのはナイロンのコートとタイプライターの変形シャツのみ。どちらも一枚ずつの制限がありました。
Nylon coat "bursa"
ナイロンという素材にはどうしても機能性が求められがちな世間です。そういった製品の多くには現代のテクノロジーが集約されて、毎日を簡易に過ごす為の仕掛けが張り巡らされ、艶っぽく硬質に、無機質に物体的(イメージとして)になりすぎている傾向があると感じています。
決してそういった製品が悪いと言いたいわけではなく、多くの人たちに過ごしやすさや屋外でのスペックアップを提供するツールとして素晴らしいことは百も承知です。
が、やはり僕はあまり好みでなくて、もう少し有機的な風合いや素朴さを求めてしまって、自分のファッションツールとしてはインストール出来ないんです。機能性は魅力的だけど、もう少しキャラクターが欲しくなってしまう。
VERBA VESTIのナイロンコート"bursa"は、そういった無い物ねだりなところを偶然にも叶えてくれました。よく洗い込まれ、染め上げられ、手を加えられることで見られる化学繊維とは思えない趣き。撥水とか防水とかそういった機能は謳えないんですが、水を落とすと滑るように落ちていくし、なにより軽くて強靭。
粒子みたいに細かな艶を見せるくったりと萎びた生地肌は、光が沈みこむように深く黒々としていて、時折で青白く凹凸をみせる。触るとしっとりとしながらも、揉むとナイロンならではのカサつきがある。
旅行に着ていくことが形作りの源になったという、物を運ぶ為の大きなポケット。そしてそれを取り囲む途轍もないステッチワーク。人が熱心に手を動かした軌跡が、そのままデザインとして映るようなヒューマンクラフトの力強さ。
物質的な軽さに相反する重たいムード。扱いやすさに相反する緊張感。
僕にはとても新鮮に映り、それでいて以前から持っていたように素直に馴染みました。
Long shirt "primis"
西洋の古いコックシャツのような変形シャツ。
ひたすらひたすら淡く染め上げた桜のようなピンクは、店内の照明では気付けないほど薄い色付き。この塩梅、染色が本当に難しいと思う。あるようでない、出来るようで出来ないピンク。この季節に、ばさっと裾をバタつかせながら、サマースラックスやショーツで合わせてもらえると、すごく大人びる。女性でも絶対に似合うんですが、どうせなら男性に着てもらいたい。デニムも良さそう。
肩には手縫いで生地を摘んで、立体の柄を設けています。これがギャザーのような役割を担って、上腕にドレープが生まれる。ストイックで普遍的でおかしさのある手仕事。
シャツとしての仕立ても申し分なく、細かな運針で形状をなぞり、丁寧で神経質に縫われています。折り伏せだったり袋縫いだったりと仕立ての手段までデザインに変える徹底ぶり。
生地は良く揉み込まれた細番コットンのタイプライター。全体的に細かく毛羽が立って、触れると吸い付くような柔らかさ。でもタイプライターの逞しさは損なわずに、動いた分だけバタバタと音を立ててくれます。
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𝐂𝐎𝐄𝐋𝐀𝐂𝐀𝐍𝐓𝐇
𝐴𝑜𝑦𝑎𝑚𝑎 𝑂 𝐵𝑙𝑑𝑔 2𝐹 201
2-3-3 𝑆ℎ𝑖𝑏𝑦𝑎 𝑆ℎ𝑖𝑏𝑢𝑦𝑎-𝑘𝑢, 𝑇𝑜𝑘𝑦𝑜.
0343354224
[ 𝑜𝑝𝑒𝑛𝑖𝑛𝑔 ℎ𝑜𝑢𝑟𝑠 ] 1 𝑝.𝑚. - 7 𝑝.𝑚.
[ 𝑡𝑢𝑒, 𝑤𝑒𝑑 ] 𝑎𝑝𝑝𝑜𝑖𝑛𝑡 𝑜𝑛𝑙𝑦.