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Made-to-Order | Hidale








9月上旬に伺ったHidale 27SSの展示会で、今回も何かイベントをやりませんかって話になった。1stシーズンとなる26AWのオーダー会では新設ブランドとは思えぬほど驚くばかりのご好評を頂き、期間中にはHidaleチームと毎シーズンの定期開催にしたいなんて話もしていたのですが、改めて考えると脳死で擦ってしまっているだけな気がして、漠然と何か別の企画をしたいという気持ちが芽生えました。思いついたのがコートのメイドトゥオーダー。テーラーとして現在もビスポークを営むHidaleのバックボーンを活かして、生地を変えながらアトリエメイドで仕立てて頂けないかと打診したところ、快いお返事と万全な協力体制をご用意頂きました。
















Hidaleの仕立て技術と哲学を集約させ、26AWコレクションの顔を飾った"Quilt Rebel Coat"。大人の男の理想図を絵に描いたような厚く屈強なツイードにキルティングを張り巡らせ、テーラーとして培った技術や哲学を応用し、局所で概念を逸脱させてモードを香らせたオーヴァーコート。デザイナーの水野さんが、中学生だか高校生だかの頃に譲り受けたというCOMME des GARÇONSのコートへの愛着から生まれたそうで(確かに1980'sのDCブランドでたまに見かける)(そして、贅沢な学生すぎる)、着物のように平面的で太い身幅と袖をベルトで絞ることで、大きなドレープが立体を構築する。その一方で、襟を寝かして素直に着るとバルマカーンのようなどっしりとした威厳が顔を出す。深く差し込まれたスリットがテールを揺らし、身体の稼働を広く、生地には表情を与える。初めはこのコートが見たくて展示会に足を運んだ。写真からでも充分に伝わってきていた魅力は、現物を目にし、身に纏うことで確信と強い物欲に転嫁された。

 

ただ、一つだけ、僕の身体に合わなかったのがその暖かさ。ツイードにキルティングの保温性は抜群で(実際に寒がりさん達から大きな支持を得た)、その反面で暑がりな自分には奇しくもオーバースペック。高度な技術によって為された機能性が僕の体温調整機能を凌駕し、電車内で耐え難くなることが想像できた。世間では尊重される頼り甲斐に、身体まで天邪鬼に反応してしまう自分が憎い。それでもこのコートを着たいという欲求は諦めることを許さず、ずけずけと我儘を言ってしまう。「キルティング無しで作ったりって… 出来ないですか?」とお願いしてみたのが、前回のオーダー会を終えた5月の頃。27AWあたりで別注をお願いしようと勝手に企んでいたのだけど、今回のイベント企画で打診してみたところ、少量のアトリエ生産であれば年内12月頃に納品出来そうとのこと。それならばと、いくつかの生地から好みのものを選べるのも面白いだろう。多くの素晴らしい生地を抱えているテーラーだからこそ、一人一人に向き合ったオーダーが叶えられる。気温が下がり、アウターが必需になった頃に到着するとっておきのコート。良い企画じゃないか。


 早速、アトリエを訪れ、多くの生地の中からHidaleらしくもcoelacanthらしくもある幾つかのバリエーションを選ばせて頂く。これが良いか、いやこれもいいな、と何度もブックを捲り、コートの上にあてがい、指先の感覚を頼りに目を瞑って想像する。僕らが普段から交流しているデザイナーの皆々は、1シーズンでこの何倍もの数をこなしているんだなぁと時折で尊敬が頭を過り途方に明け暮れる。生地を選び終えてから、この生地ならもう少し粗く素朴な風合いにしたいとまたしても我儘を重ね、キュプラからコットンフラノへ裏地まで変えてもらう。これで外食時のハンガー面まで整った。









Photo by Shoichi Yamakawa









一足先に私物になるものを製作して頂いた。選んだ生地はイタリアのファクトリー"Manifattura Tessile Risaliti"のメリノウール85% カシミア15%のブレンド。ミクロンの細さが活きたテキスタイルは美しい艶を流し、この季節の強く傾いた西日を帯びると水気を帯びた黒から夜空のような紺へと色を変える。モードの香りがより一層色濃く漂う姿を想像した選定は正解だった。テーラーが仕立てるモードなコート。韻を踏んだ。


















そして、Harris Tweedはやはり外せない。1846年の起源からこの時代まで未だに厳格な管理の下、スコットランドにてピュアヴァージンウールを紡績し足踏み織機の手織りで織り上げた生地はイギリスを象徴する。ファッションウェアに於いて"一生物"という言葉は謳いたくないのだが、Harris Tweedならば結果的に成り得るのかもしれない。英国紳士のイメージを世界に知らしめた強靭屈強な生地だからこそ、生涯を添い遂げるようなコートには相応しい。それくらいの伝統と実績がある。


 生地それぞれで紹介をしようかとも思ったけれど、急遽で当日追加される生地もあり、ライブでの出会いの面白さを尊重したい気持ちもあり、体力とボキャブラリーの限界もほんの少しだけあり、現場で楽しんで頂ければと思います。

 

  















Made-to-Order by Hidale

2026.10.31 sat - 2026.11.08 sun (Monday close) 1 p.m. - 7 p.m.


"Quilt Rebel Coat"


Harris Tweed / Jpy 330,000- tax included.


Manifattura Tessile Risaliti / Jpy 297,000- tax included.

*Limited 2 Pieces.


Other Fabrics / Jpy 275,000- tax included. 

*Limited 2~3 Pieces.


at coelacanth 

201 Aoyama O Bldg, 2-3-3 Shibuya, Shibuya-ku, Tokyo.   



 *生地によってプライスおよびオーダーリミットが変動致します。

 *12月中の完成予定ですが、予定枚数以降のオーダーにつきましては1月の完成目途とさせて頂きます。

 *オーダー時に商品代金の30%以上のデポジットをお預かりさせて頂きます。(一部顧客様はご相談下さい)




早々とした告知を理想にしつつも、夏休みの宿題に最終日を費やし、そして間に合わないタイプの自分らしさを裏切らず、日付を跨いで当日の更新となってしまいました。 皆様のご来店を心の底よりお待ちしております。

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