念願叶う | ANCELLM Exclusive for Me.

Apr 23, 2024

COELACANTHのオープン前からのお付き合いであり、ブランドではオープン日からお取り扱いさせて頂いていたANCELLM。

シーズン初期から深く深くお世話になり続けてきたANCELLMですが、単独で当店だけの別注というのは実は初めて。というのも毎度毎度のコレクションが良すぎて、あえてお願いしたい程の別注アイデアが思い付かないんですよね。唯一言っていた我儘が、23SSで私物を確保出来なかった"SKIPPER LONG SHIRT"の生地を載せ替えた復刻。どうしても着たくって、でもチームみんなの凄まじい忙しさも知っているから控えめな声量で訴えていました。

凡そ半年くらいの時間が経ち、24SSの展示会に伺った際に目にした"SILK SUEDE"の生地に一眼で惚れ込んでしまい、ANCELLMのNo.2である難波くん（通称なんちゃん）に「これのロングシャツも良さそうだよね〜」なんて話していたら、後日電話が来て「シルクスエードのロングシャツ、別注出来ます。」と。

「まじっすか、最高です。お願いします。」と。

１年越しの念願が叶いました。最高の形で。

今季のコレクションの中で、シャツ、カーゴパンツ、ラップブルゾン、カラーレスジャケットの4型で展開されていたSILK SUEDE。

素材となったのは、絹糸を紡績する過程で出てくる繊維長の短い糸や副産的に生まれた残糸を使って、再び紡績をかけた"シルクノイル"。この粗々しいシルクを素材に、ANCELLMらしく奥深い染色を経て、素朴に毛羽を立てた生地。

黒の中にも濃淡の見える、奥行きの複雑な色付け。全体で見ると赤さが垣間見えるのに、光に照らされると毛羽が青白く光る。ブラックってのは本来、赤に寄るか青に寄るかで褪色の方向が異なるはずなのだけれど、この生地は赤さも青さも併せ持っている。こんなブラックは見たことがない。

強い艶を持ち、繊細で、色っぽさのあるシルクの生来的な顔つきとは相対して、野趣が溢れて、荒削りな力強さを感じる。それでも繊維としての機能性はシルクらしくって、春も夏も軽快に盛り上げてくれる。加えてネップと凹凸から肌に接触する面積が減るから、シアサッカーみたいに清涼さをもたらせてくれる。肌離れの良さがありがたい。

今回、仙台の名店Atticさんが同じシルクスエードで"SILK SUEDE KIMONO BLOUSON"を仕込んでいるという情報をキャッチしたので、そんなんスキッパーシャツと重ねたら絶対最高じゃんってことで店主の鈴木さんに相談させて頂き、一緒にローンチを組ませてもらった。（快く引き受けて下さった鈴木さん、本当にありがとうございます。）

二者二様のスタイリング。スキッパーシャツの上にブルゾン。ショートレングスから垂れるロングテール。個人的にはシャツを上に重ねて、深いスキッパーからブルゾンの高いネックとZIPを覗かせるのが好み。共地となるカラーレスジャケットとの相性も抜群で、このレイヤードが出来るのを待ち侘びていた。重ねれば重ねるほど魅力の増すANCELLM。オールブラックで組んでもしっかりと奥行きが構築出来る。

夏らしい気温が顔を覗かせる季節にはプリントTを覗かせてもいいし、タンクトップで首元を軽快に。ざっくりと袖を巻いて楽しんでほしい。気温の高さが味方してくれるはず。