二人の特別なシャツ | Exclusive by Urig

 

 

この秋冬のUrigで特に気に入った生地があった。デッドストックから掘り出したという古い生地で、なんとも独特な混率で製織されている。ポツリポツリとアスファルトに雨が落ちる様に、不均一なネップの浮き出た生地。レーヨン、ポリエステル、ウールの三者混。個人的に古い生地に使われるポリエステルはあまり好きじゃないのだけど、これはポリが良い仕事をしている。今の時代にこの生地を作る人間はいないだろう。再現性の低さと古くも新鮮な素材感を持つこの生地は、”R.NEP”という名付けを経て、Urigのコレクションの中でジャケット、ロングベスト、トラウザーズでラインナップされていた。

 

 

 

 

4月末。COELACANTHで催事させて頂いたUrig 2024AW受注会の結び。ふと、思い立った。こんな良い生地、シャツにしたって最高じゃなかろうか。いや、そもそもシャツが無いのが不思議なくらいだ。秋冬で羽織にもなるシャツなんて最高でしょう。しかしなんてったってデッドストック。生地の量にも限りがある。あまり真剣に考えても「出来ません。」では少し凹む。なんとなしに聞いてみる。「この生地でシャツ作っても良さそうですね?」「でもあんまり生地残ってないですよね?」

「良いですね!」「多分、大丈夫ですよ!」以外にあっさりと良い返事が返ってきた。

 

COELACANTHだけで別注をやるのも良いんだけれど、せっかく良いシャツ作るのだから、東京以外でも見てもらいたい。誰かと一緒に考えて、誰かと喜びを共有したい。

そうなるともう、高知 sieniさんしかいない。昨年、COELACANTHでPOPUPをやって以来、何かやりたいですねと言いながら成就してなかった。須藤さんならきっとこの生地が好きだろうし、この生地で作るシャツも好きだろう。「UrigのR.NEPの生地で別注シャツ作りたいんですけど、一緒に作りませんか」早速相談し、早速良い返事が返って来る。「良いですね!ぜひ!」

良い返事が返って来るのって本当に嬉しいもんですね。

 

 

東京と高知の距離を、コンマ数秒のラグだけで繋いでくれる電話というのは改めてすごいと思う。別注の件で少し電話しませんか、と顔の見えないミーティング。自分から誘っているものだから、須藤さんの好きを汲み取りたい。汲み取りたいけど我儘な自分が許さず、何でも良しにはならない。「ボックスシルエットが良い」「ドレープが出るようギャザーを入れたい」お互いの「好き」「嫌い」「理想」を擦り合わせ、Urigに相談をする三者談。結果、2サイズで大きくサイジングを変えたシャツを作ることに決まりました。

sieniの好きな”size Regular” と COELACANTHの好きな“size Over”。

 

 

 

 

 

ドロドロと光沢が揺れ靡く。艶やかな肌には似合わない素朴なネップが点在する。相反するキャラクターが上手く共存した、類を見ないテキスタイル。 

 

通常のUrigのグレーディングから大胆に引き伸ばした着丈と身幅。実寸を見ると無茶苦茶に乱暴な数値なのですが、生地の落ちとギャザーが見事に収めています。ざっと羽織って歩いてみると、生地が揺れ動きだして光と影の大きな波が立つ。

 

今の季節にはタンクトップやTシャツの上に重ねて、大きく裾を靡かせながら歩いてほしい。半端にボタンを留めてスキッパーみたいな着方も良いし、もちろん抜襟だって似合う。そして、寒さの訪れにはジャケットのようにニットやフーディの上。シャツとしてコートの下に忍ばせる。

 

どんな着方にだって、このシャツが楽しませてくれる。151cmだって、165cmだって、173cmだって、189cmだって、性別も年齢も体格も関係なく、皆それぞれのスタイルで楽しんで頂ける。

 

 

 

 

 

 

 

名付けられた"BESONDERES"という言葉はドイツ語で「特別」を意味するのだそう。二人の特別なシャツということでUrigが命名してくれた。

 

発売は9月28日(土)より。

店頭はオープンより、ONLINEは14時から、在庫を分けての販売開始となります。

COELACANTHでは僕の一存によりsize Overのみのお取り扱いとなり、sieniではsize Regularがメイン、Overが少量の入荷となるようです。Urigの公式サイトでも発売予定ですが、そちらはブランド側のアナウンスをお待ちください。

 

 

Urig 
Exclusive For
sieni / COELACANTH
size Over, col BLACK
price jpy 49,500- tax included
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